カランコエの特徴
就労支援のスタイルも時代に合わせてどんどん変化しています。
これは、企業の受け入れ体制の変化とも言えます。
本人が100%のパフォーマンスを発揮できる環境を整えるのが就労支援の役割です。
従来の就労支援・就職支援・キャリア支援は、就職できるようにすることに特化していた
従来の障害者就労支援・就労移行支援・キャリア支援などは、就職できるようにすることに特化していました。
どういうことかというと、いわゆる、本人不在の状態です。
本人がどんなタイプの人間であるかをあまり考慮せず、仕事に就かせるための周辺情報を整えていくようなスタイルといえます。
面接の練習・履歴書の書き方・電話の受け答え・名刺の受け渡し作法などの「一般的な就職や会社とは?」のイメージに本人が合わせていき、採用してもらうといった形です。
このような、就労支援を行っている施設や機関は現在もたくさんあります。
基本的には、「就労支援」という名目でみな事業を実施しているので、上記のような方法になりがちですし、施設側としては「就労実績」の数字を稼ぐことで成り立つような事業体も存在していますので、仕方ないのかもしれません。
しかしながら、私たちは、そのような方法で就労支援を実施した場合に起こる、非常に重大な問題に気付きました。
それは、「就職できてもまたすぐに戻ってきてしまう。」という事実です。
就職するという行為のブラックボックス化を解消する
完全に就職先に対して自分を合わせることで就職を勝ち取ったとしても、それを続けるのは非常に苦しいことだと思います。
精神的な診断を受けている方は、心当たりがあると思いますが、仕事に就くことはできても、「職場に居場所がない」、「安心できる瞬間がない」、「もしかしたらすぐ辞めさせられてしまうのではないか」などのことが頭をめぐり、体調を崩し、結果的に自ら退社を選ぶというケースが少なくないと思います。
そうすると、また自信を一から組み上げていかねばならず、時間的なロスが大きくなってしまいます。
すべての就労系サービスはこの部分の根本解決に取り組まなければならないと感じています。
また、最近では、選んだ仕事が「本人のやりたいこと」であった場合は、安定した状態になるのではないか?という考え方もあるようですが、仕事に就いてから頭をめぐるのは、やはり「職場に居場所がない」、「安心できる瞬間がない」、「もしかしたらすぐ辞めさせられてしまうのではないか」などの内容であり、驚くことに、これらは、やりたい仕事とは無関係の内容であり、同じような道をたどる可能性があります。
それだけにとどまらず、「やりたい仕事として選んだ会社」を辞めるということになれば、さらなる自信喪失を招く危険性があります。
このようなことは、就職という事柄のブラックボックス化によって起こることであると考えられます。
それをどうやって解消するかが、すべての就労系事業所が取り組むべき内容であると考えており、当センターでは、本人の「強み」と「弱み」の診断プログラムを実施し、就職先企業との調整を積極的に行うことに尽力しています。
何ができて何ができないのか、何に配慮してもらえれば、イキイキと働くことができるのかをすり合わせます。
採用する企業にとっても、本人にとってもソフトランディングが図れる合理的な手法として、上述のような就労移行支援のスタイルの需要が高まっています。
「やりたい仕事」を見つけて挑戦するのは素晴らしいことです。しかし、その前段階としての準備が実は必要であり、その土台が形成できるとあなたはイキイキと仕事をすることができるはずです。
当センターの強みは、土台作りからお手伝いできる専門のスタッフがいることです。
何度も失敗を繰り返さないために、私たちも全力を尽くします。
合理的配慮を受けて、高いパフォーマンスを返すという考え方
当センターは、障害者就労以外でも、企業に対する就労アドバイスなどを手掛けるメンバーが在籍しています。
例えば、赤ちゃんを連れたお母さんの就職支援などです。
赤ちゃんは一日に数回授乳の時間があり、一般的な感覚だと、その時点で働けないと考えてしまいます。
しかし、授乳時間はせいぜい10分程度です、しかも、赤ちゃん連れですので短時間勤務になることが多く、この場合4時間の労働時間を想定した場合、授乳はせいぜい1回から2回あるかないかくらいです。
この時間のサポートを会社と交渉します。それは、私たちの役目です。
とにかく働きたい、働かせたいと考えて、不利な条件を一切クローズにして就職をすると、のちのち非常に苦しくなります。
しかしながら、この配慮をお願いして、それ以外は、通常の職員と同じように働けますという調整を図ることで、不安やうしろめたさを感じずに仕事に取り組むことができます。
むしろ、自分自身を認めてくれた会社に対しての信頼感や安心感によって、そのパフォーマンスは、そうでないときよりも高くなる傾向が当社の実績からわかっています。
障害者就労支援の分野では、これは、いわゆる「オープン」、「クローズ」の問題といわれ、障害(特徴・特性・本人らしさ)を隠して就職するか?相手(企業)に認めてもらって就職するか?の選択の部分です。
経験上、クローズで就職すると、どうしても心の苦しさと戦うことになるケースが多くなります。また、これは、雇い入れた企業側も、同じく苦しい気持ちになるのは言うまでもありません。
お互いを認め合い、信頼感や安心感でつながりあう状態形成のためのサポートをするのが就労移行支援事業所であり、今後とも全力で行っていきます。
よろしくお願いします。